きえんどうという旅 5.Demon

5.Demon「悪魔」

旅を続ける主人公は、ここで、「悪魔」という言葉に象徴される最大の敵、そして、試練に遭遇します。
相手が敵(悪魔、悪の権化、怪物)、または強力なライバル、さらに己の内面にある自分自身など、物語には、様々なパターンが存在します。

私にとっての悪魔は、私自身だった。

最初の3年は、自分自身のエゴの声との戦いだった。

エゴの声はどんな場面でも少しのほころびを見つけては

私には価値がないとか、もっと頑張らないといけないとか

心がざわざわすることを語って聞かせる。

既に持っているものには目を向けず、

いつも足りないところにフォーカスが向いていた。

お客さんが来ない日も落ち込んだが、

お客さんがたくさん来た日は、明日は誰も来ないかもしれないと落ち込んだ。

SNSを見るたび、頑張っている人がキラキラして見えて、

頑張っていない自分にがっかりしていた。

あるとき、どれだけお客さんがたくさん来ても、

どれだけ頑張った!!と思える仕事をしたとしても、

どれだけたくさんの人から賞賛をもらったとしても、

自分で自分を認められない限り、私が満たされることはないだろうな。

ということに気が付いた。

自分を傷つけられるのは、自分だけしかいないということを知った。

悪魔との戦いは、

「自分を愛する」

ということを教えてくれた。

作画:chicaco


きえんどうという旅 4.Guardians

4.Guardians「メンター」

新しいステージに足を踏み入れた主人公は、さまざまな新しい体験を重ねて、そのプロセスで、師、またはメンターといったサポーターたちに出会い、学び、さらに成長を遂げていきます。

オープンまでのあれこれは、私のメンタルと体重をガリガリと削りとっていった。

オープンを目標に走っていた私は、ゴールテープを切ったとたんに

それがもっとハードなレースのスタートラインだったことを知った。

そこはまるで見知らぬ世界だった。

私が選んだ商品、ブログ、きえんどうそのもの。

全てをいつもジャッジされているような気がした。

頑張らなくちゃいけない。けれども何を頑張っていいのかわからない。

何のために頑張ろうと思っているのかもわからず、

頑張らなくちゃいけないという気持ちだけが空回りしていた。

私の不安のエネルギーできえんどうのエネルギーを下げるのだけはやめよう。

そう思った私は、

不安に飲まれそうになる自分をなんとかするために書籍を読み漁り、

自分に足りないものを身に着けようと、学びに夢中になっていった。

このことが、私にとっての普遍の真理への扉に繋がっていく。

新しい知識やこれまで出逢ったことがないようなタイプの方との出逢いは、

私に新しい世界を見せてくれた。

その世界は、美しく豊かで悩みとは無縁に見えた。

不安な自分を何とかするには、自分を変化させなくては・・・

とがむしゃらだった私に

オラクルカードの先生がおっしゃってくださった言葉がある。

「奇跡は外側でおこるのではなく、自分の内側でおこるほんの小さな変化です」

この言葉を本当の意味で理解するのに5年かかった。

こうして、知識だけで頭でっかちだった私は、

その後何年もかけて、必要なタイミングで必要な師に出会うことで

体験を通して腑に落としていく。

それらの体験は、まさに奇跡だった。

今思うと、出逢う人は皆、ほとんどが師でありメンターであった。

オープンを控えた私に「接客業は向いてないよ」と言い切った方も、

私の信念を強くするために必要な存在だった、と今になってようやく消化できる。

ありがたいことに、今の私には

私の豊かさそのものだと言っても過言ではない、

私をサポートしてくれるメンターたちがいる。

天の采配はいつも完璧なのだ。

作画:chicaco


きえんどうという旅 3.Threshold

3.Threshold「境界を超える」

旅を始める決断をした主人公は、最初の試練に遭遇します。本当に新しい世界へ踏み出す勇気や覚悟があるのかどうかを試されるテストです。

白紙に戻すことを選択した頃、

実は別のところで人間関係にもいくつかトラブルがあった。

全てリセットしようと決意した中には、

トラブルになっている人間関係も含まれていた。

正直なところ、八方塞がりで降参するほかなかったのだが。

自分の内側にこびりついた感情を一切合切「忘れよう」と決意し、

次の瞬間に「忘れた」

胸の中でとぐろを巻いていた怒りや不満や自己弁護が

パッと消えてなくなり、心が軽くなった。

私が忘れただけで、人間関係は簡単にリセットできた。

なんのことはない、私がトラブルにしていただけのことだった。

相手を変えることにこだわるよりも、自分を変える方が

よっぽど気持ちよくリセットできるということを知った。

「許す」のではなく「忘れる」ことにしたのが正解だったと思う。

というのも「忘れる」ことこそが、自分軸の選択だったからだ。

とはいえ、この頃の私は「自分軸」なんて言葉も知らず、

とにかく目の前の障害を乗り越えるだけで精一杯だった。

作画:chicaco


きえんどうという旅 2.Commitment

2.Commitment「旅を始める」

主人公は旅をはじめ、「自分の進む道は本当にこれでいいのか」と、天命を受け入れることができず、旅に出ることへの葛藤や戸惑いが必ずおきます。
また、何かしらの出来事で、最終的には「今に留まるのか、それとも新しい世界へ進むのか」という選択を迫られます。そして、新しい世界への一歩を決断して進んでいきます。

「きえんどう」という名前は割とすぐに思いついた。

仏教用語でもある「機縁」は、簡単に言えば「きっかけ」という意味だ。

「僅かな値遇であっても、それが縁となり開眼し、人生の方向が定まることもある」

まさに人生において縁というものの力を体験したばかりだった私は、

「きえんどう」でつなぐご縁が、その人それぞれの可能性を発動し、

訪れる人が皆幸せになる・・・。

という夢を描いた。

この夢は私をとてもワクワクさせた。

計画はどんどんと進んでいった。

だんだんと多くの人が関わるようになり、

気が付けば「アドバイス」という優しい鎖に身動きが取れなくなっていった。

完全に下準備不足のつけがまわった。

計画が中途半端だったうえに、知識もない私は

あっという間に不安や葛藤でいっぱいいっぱいになった。

先人のアドバイスは、私にとっては救いだった。

こうした方がいいんじゃない?と言われることは全て取り入れた。

自分で決めて進めていたはずだったのに、

出来上がった計画書には

想像もしていなかった絵が描かれていた。

ワクワクなんてとうの昔にどこかに隠れてしまった。

胸のあたりがざわざわとするような違和感を感じながらも、

さらに進んでいく計画に後が引けなくなっていた。

本契約をする数日前のことだった。

勧められて受けたヒーリングのヒーラーさんに

「この計画は失敗するよ」と断言された。

血の気が引き、後頭部をガーンと殴られるような衝撃を受けた。

ショックで体温が下がりガタガタと震えながらも、

「その通りだ」と妙に納得する自分がいた。

「私が変わらなきゃいけない」という想いが胎の底から湧き出てきた。

全てリセットしようと決意した。

というより、せざるを得ないと思った。

全ての責任は自分がとらなくては、と腹が据わった。

本契約直前での白紙撤回の連絡を入れたときのことは

昨日のことのように思い出せる。

沢山のアドバイスを下さり、

時間をかけ知恵を絞ってアイデアを形にしてくれた社長に

「一旦白紙にさせてください」と伝えるのは、

申し訳なくもあり、とてつもなく怖かった。

怒られることを覚悟で正直に思ったことを伝えた私に、社長はこう言った。

「いいよ、君の想いが全く見えなかったから逆に安心したよ。

また一緒に考えよう」

どうしてかずっと出なかった涙が、蛇口が壊れたかのように溢れ出た。


私の旅の一歩目はここだったはずだ。

他人軸でいたことで本来の自分から乖離した私が、

自分軸に強制的に軌道修正させられて踏み出した一歩だ。

まさに自分の力で踏み出した、決断の一歩となった。

作画:chicaco


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