きえんどうという旅 3.Threshold

3.Threshold「境界を超える」

旅を始める決断をした主人公は、最初の試練に遭遇します。本当に新しい世界へ踏み出す勇気や覚悟があるのかどうかを試されるテストです。

白紙に戻すことを選択した頃、

実は別のところで人間関係にもいくつかトラブルがあった。

全てリセットしようと決意した中には、

トラブルになっている人間関係も含まれていた。

正直なところ、八方塞がりで降参するほかなかったのだが。

自分の内側にこびりついた感情を一切合切「忘れよう」と決意し、

次の瞬間に「忘れた」

胸の中でとぐろを巻いていた怒りや不満や自己弁護が

パッと消えてなくなり、心が軽くなった。

私が忘れただけで、人間関係は簡単にリセットできた。

なんのことはない、私がトラブルにしていただけのことだった。

相手を変えることにこだわるよりも、自分を変える方が

よっぽど気持ちよくリセットできるということを知った。

「許す」のではなく「忘れる」ことにしたのが正解だったと思う。

というのも「忘れる」ことこそが、自分軸の選択だったからだ。

とはいえ、この頃の私は「自分軸」なんて言葉も知らず、

とにかく目の前の障害を乗り越えるだけで精一杯だった。

作画:chicaco