子どもがつくる「弁当の日」という活動をご存じでしょうか?
先日、「弁当の日」を提唱していらっしゃる竹下和男先生の講演会に行ってきました。
「弁当の日が生み出す 未来に遺す大切なもの」
という題の講演会、とっても素晴らしいからと聞かされてはいたものの、興味は半分ぐらい。
正直行く前までは、それほど期待はしておらず。
寝ちゃったらどうしよう・・・なんて友人と笑っていました。
が、ふたをあけてみたら、開始直後から竹下先生を見つめ続け、久しぶりに頭痛がするほど泣きました。
寝ちゃったら・・と笑い合っていた友人も、始終鼻をすすっていたので私と同じ状態だったかと(笑)
本当に素晴らしい話を聞かせてもらいましたので、是非シェアしたいと思うのですが、
上手にまとまりません。
まずは竹下先生がどんな方なのか、お話しされている動画がありましたので是非ご覧になってみてください。
竹下和男先生は本も書かれていますし、HPもあります。
直接お話しを聞く機会がありましたら、子育て中のお母さんやお父さん、子どもにも是非聞いて欲しいと思います。これはたぶん講演会を聞いたことある方全員もれなくそう思っていると思います(笑)
ここからは、私が一番シェアしたいと思ったことを書きたいと思います。
人はおかれた環境に適応するという仕組みを持っています。
コンビニご飯や砂糖や添加物、食べることに意味を感じない生活をすれば入ってきた栄養のなさに適応して脳は病気になっていいと判断する。
母親が自分のことを見ずに携帯ばかりを見ている環境では、自分に注目してもらうために、言うことを聞かずに走り回って母親の注目を集めようとする。
今私たちが起こしている行動は、全て今の環境に適応した結果なのです。
脳の発達は8歳から19歳までと言われています。
この大事な時期に、私たち親は勉強や習い事など子どものためと思うことを一生懸命取り組ませます。
宿題をさせて、勉強させて、習い事をさせて・・・。
親はその間にご飯を作り、お風呂を沸かし、子どもが飲み物を飲みたくなったら用意してやり、宿題が無事に済むように、それが子どもの仕事だと思い、最優先で取り組ませます。
これって、我が家の日常でもあります。
「いいから勉強しておいで」と何度いったことか。
でも、実はこれは子どもに
「あなたは自分のことだけを考えなさい」
としつけをしているということなんです。
宿題さえ、勉強さえ、習い事さえできていればいい、
脳が発達する大事な時期をこのように過ごした子供たちは、見事に環境に適応し自分のことだけしか考えられない大人に育ちます。
少し乱暴な論理かもしれませんが、多かれ少なかれ現代にそういう傾向があるような気がしませんか?
子どもが泣き叫んでいても携帯から目を離さない母親。
店内を走り回っている子どもと泣く子どもをあやす母親を見ながらも、食事をやめない父親。
こういう光景は今や珍しくもなくなっています。
これは自分のことだけを考えていればいいという小さい頃からの環境に適応しただけと言われた時に
納得すると同時にゾッとしました。(勉強や習い事をさせるのが悪いという意味ではありません)
竹下先生はその状況を「弁当の日」で変えることができると教えてくれました。
人はそのおかれた環境に適応する のですが、同時に
人は環境を変える脳を持っている のです。
弁当の日というのは、子どもが自分の力だけで学校に弁当を作ってもっていくという取り組みのことです。
要するに、台所に子どもをたたせようということなんです。
子どもが台所に立ちたがる年齢は2歳から10歳で、5歳がピークです。
その時期、気持ちよく一緒に台所に立たせられる親がどれだけいるでしょうか?
私は「危ない、面倒くさい、時間がかかる」という理由で主に追い払っていました。
見事子どもは手伝わせてくれないことを学び、台所に立ちたがる気持ちは10歳までに急下降します。
子どもがこの時期台所に立ちたがる理由は3つあります。
1つめは 人の役にたちたいからです。 人間の本当の幸福は誰かのために自分の存在があると実感できることなんだそうです。(アドラーの心理学より) 本能で子どもはこのことを知っているのです。
2つ目は 大人の真似です。7歳まではいいもわるいもそっくり真似て成長し、いずれは自立していきます。母親の口調そっくりにしゃべるというのも、母親の真似をすれば大人になれると思っているからです。なので、この時期は真似てほしくないことは見せちゃいけません・・・・(笑)
3つ目は 味覚の発達と関係があります。3歳から9歳までの間に、自分が一生生きていくために必要な味覚を覚えようと無意識に台所にたちたがるのです。
もしお子さんが台所に立ちたがったら、この3つの理由を思い出してください。
親には面倒くさいことでも、子どもの意思の裏にはこんな理由があると知れば
一緒に台所にたつのが楽しくなるはずです。
だって、子どもが成長する瞬間を一緒に味わえるのですから。
こうして台所で仕事をしたお子さんはキラキラと輝いてお母さんを見つめるはずです。
その時にどれだけお母さんが助かったか、美味しくできたか、すごいことなのかを目を見て伝えましょう。
大好きな人に喜んでもらえた、役にたてた、家族の一員として必要とされている、こうした想いが
「人間脳」を育てます。
前頭前野の脳みそを科学者は「人間脳」と呼ぶそうです。
大人になる、成長するというのは、「人間脳」が発達することです。
この「人間脳」は自分のことではなく、相手の気持ちをイメージすることが出来ます。
この「人間脳」(共感脳ともいいます)の大切さは、この長い文章をここまで読んでくださった方にはわかるのではないかと(笑)
この「人間脳」をしっかり育てることが、私たち大人の仕事です。
「人間脳」は19歳まで発達するそうです。
そして、脳は環境を変えることができるそうです。
是非お子さんと一緒に台所に立ってみてください。
我が家では、昨日6歳の娘がキャベツ・人参・ピーマン・エノキ・ベーコン・ドライトマトを一人で細かく切って、炒めて、水を入れて、ブイヨンを入れてスープを作ってくれました。
ピーマンが苦手な娘でしたが、自分の作ったスープを皆がおいしそうに食べていたところ
黙ってピーマンを食べていました(笑)
娘が得意気に父親に作ったことを自慢するので、食べていた息子が小っちゃい声で一言。
「スープってどうやって作るの?」
今度は息子に作ってもらおうと思います(笑)
竹下先生の講演会ではスライドが流れまして、
そこに出てくる自分で作った弁当を広げて見せている子どもの
キラキラとした自慢げとも嬉しそうとも言える自信に溢れた笑顔を見ていたら
「あぁ、子どもってこんなにも自分で輝ける、成長できる力をもっているんだなー」と涙が止まりませんでした。
昨日、同じ顔を娘がしていまして、ひそかに涙が出ました。
子どもの成長を素直に喜べば子育ては楽しくなる。
これは竹下先生の著書の中の言葉です。
かなり長くなってしまいましたが最後に
僕は子どもが大好きなんです。
子どもは見てると本当におもしろい。
子どもの未来を見通す力のなさが面白いのです。
竹下先生が講演会の最初に言ったセリフです。
私は子どもに「未来を見通す力」を教えこもうとしていました。
でも子どもには未来を見通す力はまだありません。
だからこそ、何度もチャレンジしては失敗できる。
失敗できる時期に失敗させないようにするのは親のエゴです。
子どもは遊びを通して失敗を沢山経験しながら成長し自立していきます。
私も「未来を見通す力のなさ」を笑いながら楽しめる親になりたい。
そんな風に感じました。
もっともっと素晴らしいことを沢山教えていただきましたが、とてもお伝えしきれません。
是非講演会チェックしていただいて、チャンスがあれば直接聞いて欲しいと思います。
きえんどうにも本が置いてあります。(うふ、サイン本です~!)
是非読みに来てください。
ティッシュ用意してお待ちしております~!