たまらん時間

大好きなお友達がすっごく素敵な声で

宮沢賢治の注文の多い料理店の序を読んでくれた。

余りにも美しくて幸せな気持ち・・・。
朗読っていいなぁ・・・・。なんて思った昨日のこと。



今日の朝、ふと思いついてニュースを消した。

「久しぶりにお話読んであげる」

「えー!俺はニュースが見たい!」と中二の息子

娘は半眼でむしゃむしゃパンを食べている。

「新人議員の不倫のニュース見てもしょうがないでしょ!どの話がいい?」

と半ば無理やり題名を言うと、

案外あっさりと息子が「ねずみのやつ」と言った。


愛いやつめ。。と思いながら朗読を始めたところ

娘が目を開いてこちらを見ているのが横目に入った。

食べ終わった息子は食器を片付け、階段の手すりに寄り掛かる。


支度をしながらでも聞こえるように、少し声を張ったら

喉がびっくりして咳がこみあげてしまった。


「あとどのぐらい?」

「もうすこしかな」


あっ、最後まで聞くのね。

心の中でプププと思いながら読み終わる。

と同時に二階へ駆けていく息子。


背中に向かって

「どうだった?」と聞いたら

「面白かったー!」

と素直な声。

娘が二階を指さして、ニヤニヤと目くばせ。

「愛いやつだよね」

同じこと思ったらしい。

ほんとに小6か?


読み聞かせって、小さい頃は子どものためだと思っていたけど、

親のためだったんだなぁ・・・。

あの頃よりずっと成長した子どもへの読み聞かせは

あの頃の思い出も合わさって、

すっごくたまらん時間でした。