ただ在るだけのこと

13歳の秋田犬がいる。

名前は「雷三(らいぞう)」くん。

人間でいうところの100歳近いおじいちゃん。

夏ぐらいから後ろ足が悪くなり、

おむつをするようになり、

小屋から出られなくなり、

ご飯を食べなくなり、

と、老いていくライちゃんの世話をしてきた。

手作りご飯にしたところ、

ガツガツと食べてくれるのがうれしくて、

最近の私は、ライちゃんのご飯ばかり検索。

スーパーでもライちゃんのための食材優先。

ここ3日ほど前から、とうとう起き上がれなくなり

流動食をそれでもガツガツ食べてくれるので

人間そっちのけで、らいちゃんのご飯のことばかり考えてる。

今週末からイベントが始まるのだけど、

12月の忙しなさも相まって、頭の中がとっちらかっていてミスばかり。


今朝も泣きたい気持ちを落ち着かせるために

瞑想をしながら

なぜ、このタイミングだったのか。

ライちゃんが私に何を教えてくれているのは何なのか

そんなことを考えていた。

深呼吸を数えているうちに、感覚がぼやける。

自分を形作っている一番外側の膜が溶けて

空気と同化したような感覚になったときに

ふと、わかったことがある。


ライちゃんは立派な番犬だった。

今は吠えることも立つことも出来なくなったけれど

そんなことはどうでもいいことで、

ライちゃんの存在そのもの、

今ここに在るってこと、この瞬間、

それだけが全てなんだ。

それだけが愛なんだ。

と、言葉にすると陳腐に聞こえるし、

よくわからなくなるし、うまく説明できないのだけど

そんな風に思ったのです。


そっか、ただ今在るってだけなんだな。

私もただ今ここに在るってだけなんだな。

それだけが全てで、それこそが愛なんだ。

大事なことはただこれだけなんだな。

ライちゃんはそれを教えてくれたんだな。と思ったら

体の奥底からマグマのように

感謝とか愛おしさとか愛とかが

ふつふつ

ふつふつ 湧いてきて

それらすべてをライちゃんに送りました。


今日はもうおなか一杯で食べれないかもなー。